日本で1年間働いた技能実習1号(1Go)の実習生の中には、実習を終えてベトナムに帰国する際に、年金をいくら受け取れるのか気になる人も多いでしょう。
しかし、受け取れる金額は全員同じではありません。加入していた年金制度、加入期間、保険料の計算に使われる給与額などによって異なります。金額を見積もる前に、自分がどの種類の年金に加入しているかを確認することが大切です。
1. 技能実習1号の実習生は、通常どの種類の年金に加入している?
主に、次の2種類の年金制度を区別する必要があります。
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厚生年金: 会社員などが加入する年金制度です。加入対象となる労働者は、通常、給与明細から保険料が差し引かれます。
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国民年金: 法律で定められた加入要件に該当する人が加入する公的年金制度です。
企業で働き、厚生年金の加入対象となっている技能実習生は、一般的に厚生年金に加入しています。自分がどの制度に加入しているか、給与明細で確認しましょう。

2. 厚生年金に1年間加入すると、いくら受け取れる?
厚生年金の脱退一時金は、計算に用いる平均標準報酬額と、年金の加入期間に応じた支給率をもとに計算されます。
加入期間が12か月以上18か月未満の場合、現在の支給率表では支給率は1.1です。
計算例
平均標準報酬額が月額200,000円で、年金の加入期間が12か月以上18か月未満である技能実習生を例に考えます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 計算に用いる平均標準報酬額(仮定) | 200,000円 |
| 支給率 | 1.1 |
| 税引き前の脱退一時金 | 220,000円 |
| 源泉徴収税額(20.42%) | 44,924円 |
| 源泉徴収後の受取額 | 175,076円 |
この例では、税引き前の脱退一時金は220,000円、税金が源泉徴収された後の受取額は約175,076円となります。
ただし、これは計算方法を理解するための例であり、すべての技能実習生がこの金額を受け取れるという意味ではありません。実際の平均標準報酬額、年金制度に記録された加入期間、保険加入終了時に適用される規定によって、最終的な受取額は異なります。
所定の条件を満たす人は、日本国内の納税管理人などを通じて税務手続きを行い、源泉徴収された税金の還付を申請できる場合があります。
3. 国民年金に1年間加入した場合は?
国民年金の脱退一時金は、厚生年金とは計算方法が異なります。
日本年金機構が公表している2026年度の支給額表によると、最後に保険料を納付した月が2026年4月から2027年3月までの期間に該当する場合、対象となる加入期間が12か月以上18か月未満の人の脱退一時金は107,520円です。
この金額は、国民年金に加入しており、該当する受給要件を満たしている人に適用されます。保険料を納付していない月が、自動的に納付済みの加入期間として計算されるわけではありません。
107,520円という金額を、厚生年金に加入している人の計算に使用することはできません。
4. 技能実習生が脱退一時金を受け取るための条件
年金保険料を1年間納めていても、それだけで脱退一時金の受給資格が確定するわけではありません。主な条件は次のとおりです。
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日本国籍を有していないこと。
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日本の公的年金制度への加入を終了していること。
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対象となる年金の加入期間が6か月以上あること。
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日本の老齢年金の受給資格期間を満たしていないこと。通常、老齢年金の受給には10年以上の受給資格期間が必要です。
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規定に該当する特定の障害年金などについて、受給権を取得したことがないこと。
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日本国内に住所を有しておらず、定められた期間内に請求すること。
原則として、日本国内に住所を有しなくなった日から2年以内に請求する必要があります。ただし、個別の状況に応じて適用される要件を確認してください。
日本で実習を続けている人は、技能実習1号を修了したという理由だけで脱退一時金を請求することはできません。
5. 帰国後に脱退一時金を申請するため、何を準備すればよい?
帰国前に、技能実習生は次の書類や情報を保管しておきましょう。
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年金保険料の控除額が記載された給与明細。
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基礎年金番号通知書など、年金に関する書類や情報。
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請求者本人名義の銀行口座情報。
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日本年金機構が指定するその他の必要書類。
ベトナムに帰国した後は、日本年金機構の公式サイトで受給条件、申請書、提出方法を確認してください。一定の金額を必ず受け取れるという広告だけを頼りに手続きを進めないようにしましょう。
6. 申請前に確認しておきたい重要なポイント
第一に、受取額を見積もる前に、加入している年金制度と実際の加入期間を確認しましょう。
第二に、厚生年金の脱退一時金を請求する場合は、源泉徴収される税金を考慮し、条件を満たす場合には還付手続きについても確認しましょう。
第三に、将来、日本に再入国して働く予定がある場合は、脱退一時金を請求する前によく検討してください。脱退一時金を受け取ると、その計算の対象となった過去の年金加入期間は、将来の日本の老齢年金の受給資格期間には算入されなくなります。
脱退一時金の受給条件と計算方法については、日本年金機構の公式サイトをご確認ください。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.html
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