日本に来た留学生が最初に行う手続きの一つが、銀行口座の開設です。生活費の管理や家族からの送金、アルバイト代の受け取りなど、日本で生活するうえで銀行口座を利用する機会は多くあります。
日本で銀行の手続きをしたことがない場合、日本語で情報を入力したり、在留資格を確認したり、キャッシュカードの受け取り方法を選択したりする際に、難しく感じることもあるでしょう。
この記事では、必要書類の準備から銀行口座の申込み、本人確認、キャッシュカードの受け取りまでの具体的な手順を紹介します。今回は、ゆうちょ銀行(Japan Post Bank)の手続きを一例として取り上げます。銀行によって申込方法や必要書類、手続きの内容が異なる場合がありますので、実際に申し込む際は利用する銀行の最新情報をご確認ください。

1.銀行口座を開設する前に準備するもの
まず、口座開設に必要な書類や情報を確認しましょう。
留学生の場合、一般的に以下のものを準備します。
-
在留カード
-
パスポート
-
学生証
-
在学証明書(必要な場合)
-
日本で使用している電話番号
-
現在の日本国内の住所
-
インターネットに接続できるスマートフォン
-
使用しているメールアドレス
在留資格が「留学」の方については、ゆうちょ銀行では在学状況の確認が必要となり、手続きの際に学生証や在学証明書などが必要になる場合があります。また、在留カードについても、銀行が定める条件を満たす必要があります。
注意: 在留カードだけを持って銀行へ行くのではなく、事前に利用する銀行の必要書類や申込条件を確認しておきましょう。銀行によって手続きが異なる場合があります。
2.ステップ1:在留カードを確認する
外国籍の方にとって、在留カードの確認は非常に重要なステップです。
申込みをする前に、以下の内容を確認しましょう。
-
在留カードに記載されている氏名
-
現在の住所
-
在留資格
-
在留期間
-
その他の個人情報に誤りがないか
ゆうちょ銀行のアプリで口座を開設する場合、在留カードを使用して本人確認を行います。一部の在留カードは現在アプリで利用できない場合があり、その場合は窓口で手続きを行う必要があります。
また、在留期間の残りが短い場合、口座開設の前に在留期間の更新手続きを求められることがあります。ゆうちょ銀行では、申込み時点で在留期間満了日まで3か月以下の場合、先に在留期間の更新手続きを行う必要があります。
3.ステップ2:口座開設の方法を選ぶ
留学生が銀行口座を開設する場合、主に次の2つの方法があります。
方法1:アプリで口座を開設する
銀行によっては、条件を満たしている方がスマートフォンからオンラインで口座開設を申し込むことができます。
例えば、ゆうちょ銀行には外国籍のお客さま向けの「ゆうちょ手続きアプリ」があります。口座開設の手続きは、日本語、英語、中国語(簡体字)、ベトナム語に対応しています。
方法2:銀行または郵便局の窓口で申し込む
アプリでの口座開設条件を満たしていない場合や、銀行から直接の本人確認を求められた場合は、窓口で手続きを行います。
ゆうちょ銀行では、外国籍のお客さまが事前にオンラインで申込みの準備を行い、その後、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で手続きをすることもできます。場合によっては、長時間待つことや当日の受付ができないことを避けるため、事前の予約が推奨されています。
4.ステップ3:在留カードで本人確認を行う
アプリから申し込む場合、本人確認は特に重要なステップです。
ゆうちょ銀行の手続きでは、次の順番で本人確認を行います。
① 在留カードの表面を撮影・読み取る
画面の案内に従って在留カードを正しい位置に置き、記載内容がはっきり見えるように撮影します。
② 在留カードの裏面を撮影する
カード全体が写るようにし、文字や情報がぼやけたり、光が反射したりしないように注意しましょう。
③ 顔写真を撮影する
アプリの案内に従って顔写真を撮影し、本人確認を行います。
本人確認に関わる重要な手続きなので、十分な明るさのある場所で、アプリの指示に従って正確に行いましょう。ゆうちょ銀行の公式手続きでも、在留カードの読み取り、裏面の撮影、顔写真の撮影などが本人確認の手順として案内されています。
5.ステップ4:個人情報を入力する
在留カードによる本人確認が終わったら、必要な個人情報を入力します。
一般的に、以下のような情報を入力します。
-
氏名
-
国籍
-
生年月日
-
住所
-
電話番号
-
在留資格
-
在留期間
-
在学している学校の情報
入力するときは、氏名や住所の表記を特に注意して確認しましょう。
特に、アプリが在留カードから自動的に情報を取得している場合は、自分の判断で住所を省略したり、情報の順番を変更したりしないようにしましょう。
6.ステップ5:在学状況を申告する
ここは留学生が特に注意したいポイントです。
銀行から、現在の状況について、
-
学生
-
会社員・就労者
-
学業と仕事を両立している
-
その他
などを確認される場合があります。
在留資格が「留学」の場合は、実際の状況を正しく申告しましょう。
ゆうちょ銀行では、外国籍のお客さまの口座開設手続きにおいて、就労状況や在学状況の確認を行っています。在留資格が「留学」の方については、在学していることを確認するための書類が必要になる場合があります。
7.ステップ6:口座の利用目的を申告する
銀行口座を開設する際には、口座を開設する目的や利用目的を申告する場合があります。
留学生の場合、例えば次のような目的が考えられます。
-
生活費の管理
-
家族からの送金の受け取り
-
給与・アルバイト代の受け取り
-
個人的な支払い
-
日本での生活に必要な取引
実際の利用目的に合った内容を選択・申告しましょう。
他人に代わりに申し込んでもらったり、実際の利用目的と異なる内容を申告したりすることは避けてください。
ゆうちょ銀行の手続きでは、口座開設の申込みを完了する前に「取引目的(Purpose of Making Transactions)」を確認・入力する項目があります。
8.カードで支払うときによく使う日本語
この記事では銀行口座を開設する手続きを中心に説明していますが、キャッシュカードを受け取った後、日本で生活する中ではカードで支払う機会もあります。
ここでは、カード決済の際によく使われる日本語を紹介します。
| 日本語 | 読み方 | ベトナム語の意味 |
|---|---|---|
| カード | kādo | カード |
| キャッシュカード | kyasshu kādo | ATMカード |
| クレジットカード | kurejitto kādo | クレジットカード |
| デビットカード | debitto kādo | デビットカード |
| 支払い | shiharai | 支払い・決済 |
| 支払い方法 | shiharai hōhō | 支払い方法 |
| カードでお願いします。 | kādo de onegai shimasu | カードで支払います |
| 暗証番号 | anshō bangō | PIN・暗証番号 |
| カード番号 | kādo bangō | カード番号 |
| 有効期限 | yūkō kigen | 有効期限 |
| セキュリティコード | sekyuriti kōdo | セキュリティコード |
| タッチ決済 | tacchi kessai | 非接触型決済 |
| 一括払い | ikkatsu barai | 一括払い |
| 分割払い | bunkatsu barai | 分割払い |
| 残高 | zandaka | 残高 |
| 利用限度額 | riyō gendogaku | 利用限度額 |
| レシート | reshīto | レシート・領収書 |
| 返金 | henkin | 返金 |
支払いのときに使える表現
「カードでお願いします。」
→ カードで支払います。
「カードは使えますか?」
→ カードで支払えますか?
「タッチ決済できますか?」
→ タッチ決済はできますか?
「暗証番号を入力してください。」
→ PINを入力してください。
9.ステップ7:カードの暗証番号を設定する
口座開設の手続きでは、キャッシュカードの暗証番号(PIN)を設定することになります。
暗証番号は重要なセキュリティ情報です。そのため、次の点に注意しましょう。
-
推測されやすい暗証番号を使用しない
-
キャッシュカードに暗証番号を書かない
-
他人に暗証番号を教えない
-
暗証番号を撮影して、他人がアクセスしやすい場所に保存しない
ゆうちょ銀行のアプリによる口座開設では、申込み内容を確認する前の入力項目として、キャッシュカードの暗証番号を設定する手順があります。
10.ステップ8:申込み内容をすべて確認する
申込みを送信する前に、入力した情報を一つずつ確認しましょう。
☐ 氏名
☐ 生年月日
☐ 国籍
☐ 日本国内の住所
☐ 電話番号
☐ 在留資格
☐ 在留期間
☐ 学校名
☐ 口座の利用目的
☐ 通知を受け取るメールアドレス
☐ 暗証番号
この確認作業は省略しないことが大切です。入力内容に誤りがあると、本人確認の際に追加書類の提出や情報の修正を求められる場合があります。
11.ステップ9:申込みを完了し、銀行からの確認を待つ
内容を確認したら、口座開設の申込みを完了します。
ゆうちょ銀行の場合、アプリから申し込んだ口座開設の内容は銀行側で確認されます。審査結果は通常、登録したメールアドレスに約1週間で通知されると案内されています。ただし、申込み件数が多い場合などは、通常より時間がかかることがあります。
申込み後は、次の項目を定期的に確認しましょう。
-
登録したメールアドレス
-
迷惑メール・Junkフォルダ
-
アプリからの通知
12.ステップ10:ATM・キャッシュカードを受け取る
口座開設が承認されると、銀行の商品・サービスの手続きに沿ってカードが発行されます。
ゆうちょ銀行の場合、アプリで口座開設できるのは、紙の通帳を発行しない「ゆうちょダイレクト+(プラス)」です。口座開設後、銀行の手続きに沿ってキャッシュカードを受け取ります。
カードを受け取ったら、次の項目を確認しましょう。
-
カードに記載された氏名
-
カードの状態
-
同封されている案内
-
利用・設定方法
-
暗証番号
カードや登録情報に不明な点がある場合は、自分で判断して処理せず、銀行へ確認することをおすすめします。
13.アプリで口座開設できない場合はどうする?
外国人留学生の場合、アプリで口座を開設できないケースもあります。
例えば、次のような理由が考えられます。
-
在留カードがアプリに対応していない
-
在留期間が銀行の条件を満たしていない
-
在学証明書などの必要書類が不足している
-
入力した情報と本人確認書類の内容が一致していない
-
銀行から窓口での確認を求められている
このような場合は、異なる情報を使って何度も申込みを繰り返すのではなく、銀行からの案内を確認しましょう。
窓口での手続きが必要な場合は、銀行または郵便局の窓口で手続きを行います。
ゆうちょ銀行では、一部の在留カードが現在アプリで利用できないことが案内されています。その場合は、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で手続きを行うことになります。
14.銀行の窓口では何と言えばいい?
日本語での会話にまだ自信がない場合は、銀行へ行く前に簡単なフレーズを準備しておくと安心です。
「口座を開設したいです。」
→ 銀行口座を開設したいです。
「留学生です。」
→ 私は留学生です。
「口座開設に必要な書類を教えてください。」
→ 口座開設に必要な書類を教えてください。
「在学証明書が必要ですか?」
→ 在学証明書は必要ですか?
「キャッシュカードはいつ届きますか?」
→ キャッシュカードはいつ届きますか?
「もう一度説明していただけますか?」
→ もう一度説明していただけますか?
銀行員の説明が分からない場合は、書類に署名したり、内容を確認したりする前に、もう一度説明してもらいましょう。
15.日本に来たばかりの留学生が知っておきたいポイント
銀行口座の開設は、すべての銀行で同じ手続きになるわけではありません。
例えば、ゆうちょ銀行には外国籍のお客さま向けのアプリによる口座開設手続きがあります。一方、三菱UFJ銀行(MUFG)では、外国籍のお客さまについて、在留期間や在留資格、本人確認書類などに関する独自の条件が設けられています。また、外国籍のお客さまの一部については、窓口での手続きが必要となる場合があります。
そのため、口座を開設する前に、次の順番で確認しておくと安心です。
銀行を選ぶ → 条件を確認する → 必要書類を準備する → 申込方法を選ぶ → 情報を入力する → 本人確認を行う → 申込みを完了する → 審査・確認を待つ → キャッシュカードを受け取る
手順を一つずつ確認して進めることで、何度も銀行へ行ったり、追加書類を準備したりする必要を減らすことにつながります。
日本で銀行口座を開設するなら、「カードを作る」だけでなく手続きの流れを理解しましょう
日本に来たばかりのベトナム人留学生にとって、銀行口座の開設は、日本語の用語や本人確認の手続きに慣れていないこともあり、少し難しく感じるかもしれません。
しかし、在留カード、学生証・在学証明書、電話番号、個人情報などを事前に準備し、本人確認から申込みまで一つずつ順番に進めれば、手続きの流れを把握しやすくなります。
大切なのは、自分が利用する銀行の最新の案内を事前に確認することです。外国人のお客さま向けの申込方法、必要書類、条件などは、銀行や時期によって変更される場合があります。
お問い合わせ
CÔNG TY CỔ PHẦN TOHOKU SÔNG ĐÀ
住所:L02-L01, Khu A, KĐT Dương Nội, Phường Dương Nội, Hà Nội
Hotline:0989 044 852
Email:tohokusongda2014@gmail.com
Website:tohoku.vn


