ベトナムで看護を学んでいる方や、すでに看護師としての専門教育を修了した方の中には、「日本で看護・介護の仕事をしたい」と考えている方もいるでしょう。
では、ベトナムで看護を学んだ人は、日本で働くことができるのでしょうか。
結論からいうと、日本で働くことは可能ですが、具体的なルートは、学歴や専門資格、実務経験、日本語能力、希望する仕事内容などによって異なります。
特に知っておきたいのが、日本の「看護師(かんごし)」と「介護(かいご)」は、同じ仕事ではないということです。
日本で看護師として働く場合と、介護職として働く場合では、必要となる専門知識や資格、在留資格などが異なります。
そのため、ベトナムで看護を学んだ方が日本で働くことを考える場合は、まず自分がどの仕事を目指すのかを明確にすることが大切です。
ベトナムの看護資格があれば、日本ですぐに看護師として働ける?
ベトナムで看護を学び、卒業資格や看護師資格を取得していても、その資格だけで日本ですぐに看護師として働けるわけではありません。
日本で看護師として働くためには、日本の法律に基づく資格・免許に関する条件を満たす必要があります。
海外で看護師免許を取得した方が日本の看護師国家試験を受験する場合も、まず日本で受験資格を認められるための手続きが必要です。
そのため、ベトナムで取得した看護資格と、日本で看護師として働くための資格は別に考える必要があります。

日本で看護師として働くことを目指す場合は、次のような点を確認しておくことが大切です。
・ベトナムで取得した学歴・資格
・看護教育を受けた期間や内容
・実務経験
・日本語能力
・日本の看護師国家試験の受験資格
・日本での在留資格
「看護の学校を卒業したから、日本でもそのまま看護師として働ける」と考えるのではなく、日本で必要となる条件を一つずつ確認することが重要です。
看護師と介護職はどう違う?
日本で働くことを考える際、特に注意したいのが「看護師」と「介護職」の違いです。
看護師(看護師・かんごし)は、医療分野の専門職です。
一方、介護(介護・かいご)は、高齢者や障害のある方など、日常生活でサポートを必要とする方を支援する仕事です。
介護職では、食事、入浴、排せつ、移動などのサポートを行うほか、勤務先によってはレクリエーションや機能訓練のサポートなどを行うこともあります。
つまり、ベトナムで看護を学んだ方が日本で働く場合でも、「看護師」として働くのか、「介護職」として働くのかによって、準備する内容は変わってきます。
看護師と介護職の違い
| 項目 | 看護師(看護師) | 介護職(介護) |
|---|---|---|
| 分野 | 医療 | 介護・生活支援 |
| 主な対象 | 患者など、医療・看護を必要とする方 | 高齢者、障害のある方など |
| 主な仕事内容 | 看護・医療に関する専門業務 | 食事、入浴、移動など日常生活のサポート |
| 資格・条件 | 日本で看護師として働くための資格・免許が必要 | 利用する制度によって条件が異なる |
| 外国人材の受入れ | EPAなどのルートがある | EPA、在留資格「介護」、技能実習、特定技能など |
| 日本語 | 専門的なコミュニケーション能力が必要 | 日常会話に加えて介護現場の日本語が必要 |
| キャリア | 看護師として専門性を高める | 介護の経験・資格を積みながらキャリアアップを目指す |
厚生労働省は、外国人が日本の介護分野で働くための制度として、EPA、在留資格「介護」、技能実習、特定技能などを案内しています。
ベトナムで看護を学んだ人が日本へ行くための主なルート
ベトナムで看護を学んだ方でも、すべての人が同じ方法で日本へ行くわけではありません。
ここでは、代表的なケースを紹介します。
1.ベトナムで看護を卒業している場合
すでに看護の専門教育を修了している方は、その専門知識を活かして、日本での看護・介護分野の仕事について調べることができます。
日本で看護師として働くことを希望する場合は、外国で取得した看護師資格をもとに、日本の看護師国家試験の受験資格について確認する必要があります。
必要な条件を満たしたうえで国家試験に合格し、日本の看護師免許を取得することが、看護師として働くための基本的な流れとなります。
一方、看護師ではなく介護分野で働く場合は、特定技能など、別のルートを検討することもできます。
2.ベトナムで看護を勉強している場合
現在、ベトナムで看護を学んでいる学生の場合は、卒業後の進路を考えながら、早い段階から日本語を学んでおくことができます。
日本語だけでなく、介護や高齢者支援に関する基礎知識、日本の介護現場で使われる言葉などを学んでおくことも役立ちます。
ただし、実際に利用できる制度や就職ルートは、卒業時の資格、経験、日本語能力などによって異なるため、事前に条件を確認することが必要です。
3.看護資格を持っているが、介護分野で働きたい場合
看護を学んだ経験があっても、日本では看護師ではなく介護職として働くという選択肢もあります。
たとえば、特定技能1号の「介護」は、外国人材が日本の介護施設などで働くための在留資格の一つです。
特定技能「介護」では、原則として介護技能評価試験、介護日本語評価試験、日本語能力に関する試験など、定められた条件を満たす必要があります。
そのため、ベトナムで看護を学んだことは専門的な基礎知識として活かせる一方、特定技能「介護」を利用する場合は、その制度で定められた条件を別途確認する必要があります。
日本へ行く前に準備しておきたいこと
ベトナムで看護を学んでいて、日本で働くことを考えている場合は、できるだけ早い段階から準備を始めることをおすすめします。
日本語を学ぶ
日本で働くためには、日本語でのコミュニケーション能力が重要です。
特に看護・介護の仕事では、利用者や患者、同僚、医療・介護スタッフなど、さまざまな人と正確にコミュニケーションを取る必要があります。
介護分野を目指す場合は、一般的な日本語に加えて、介護現場で使用される専門用語や表現も学んでおくとよいでしょう。
特定技能「介護」を目指す場合、日本語能力についてはJFT-BasicまたはJLPT N4以上などの条件があり、さらに介護分野の日本語評価試験への合格も必要となります。
資格・学歴に関する書類を準備する
看護学校の卒業証明書、成績証明書、資格証明書、実務経験に関する書類など、自分の専門性を証明できる書類を整理しておきましょう。
利用する制度によって必要な書類は異なるため、応募するプログラムや受入れ先の条件を確認することが大切です。
専門知識を維持・向上させる
日本で働くことを目指す場合でも、看護・介護に関する専門知識を継続して学ぶことが重要です。
特に高齢者介護を目指す場合は、食事、入浴、排せつ、移動、認知症、高齢者とのコミュニケーションなど、介護現場に関係する知識を身につけておくと、実際の仕事を理解しやすくなります。
日本の介護現場について知る
日本の介護施設では、ベトナムとは異なる仕事の進め方やルールがあります。
利用者への接し方、報告・連絡・相談、チームでの仕事、時間管理など、日本の職場で求められる基本的な考え方についても、渡日前から理解しておくことが大切です。
日本で働くまでの基本的な流れ
ベトナムで看護を学んだ方が日本で働く場合、具体的なルートは人によって異なりますが、基本的には次のような流れで準備します。
STEP 1:自分の目標を明確にする
まず、「日本で看護師として働きたい」のか、「介護職として働きたい」のかを明確にします。
STEP 2:現在の資格・学歴・経験を確認する
看護学校の卒業資格、看護師資格、実務経験、日本語能力などを確認します。
STEP 3:利用できる制度を調べる
自分の条件に合う在留資格や就職ルートを確認します。
STEP 4:日本語を学ぶ
一般的な日本語に加えて、看護・介護分野で必要となる専門用語やコミュニケーション表現を学びます。
STEP 5:必要な試験・資格を確認する
看護師を目指す場合と介護職を目指す場合では、必要となる試験や資格が異なります。
STEP 6:受入れ先・就職先を探す
条件に合った医療機関や介護施設、受入れ企業などを探し、必要な手続きを進めます。
STEP 7:在留資格などの手続きを行う
雇用契約を締結した後、必要な在留資格の手続きなどを行います。
STEP 8:日本で働き始める
日本で働きながら、日本語能力や専門的なスキルをさらに高めていきます。
よくある誤解
「ベトナムの看護師資格があれば、日本でもすぐに看護師として働ける」
これは正確ではありません。
日本で看護師として働くためには、日本の制度に基づく資格・免許に関する条件を満たす必要があります。
「介護職は看護師と同じ仕事」
これも正確ではありません。
看護師は医療分野の専門職であり、介護職は主に日常生活の支援を行う仕事です。
「看護を勉強していれば、特定技能の介護試験は必要ない」
これも一律には言えません。
特定技能「介護」を利用する場合は、その制度で定められた技能・日本語などの条件を確認する必要があります。
「日本語はN4だけ勉強すれば十分」
N4は特定技能「介護」の日本語要件の一つとなる場合がありますが、実際の職場では、利用者や同僚と正確にコミュニケーションを取るため、さらに高い日本語力を身につけていくことが大切です。
日本でのキャリアを考える
日本で働き始めた後も、学習を続けることで、将来のキャリアについて考えることができます。

介護分野で働く場合は、日本語能力を高めながら実務経験を積み、介護に関する資格取得などを目指すことも一つの方法です。
また、ベトナムで看護を学んだ経験がある方は、その専門知識をどのように日本で活かしていくかを考えることも重要です。
大切なのは、最初に「日本へ行くこと」だけを目標にするのではなく、どの仕事をしたいのか、どのような専門性を身につけたいのかを考えたうえで、自分に合ったルートを選ぶことです。
TOHOKU SÔNG ĐÀからの情報
TOHOKU SÔNG ĐÀでは、日本での就労や留学を目指すベトナム人の方に向けて、日本の仕事、生活、在留資格、各種制度などに関する情報を発信しています。
ベトナムで看護を学んでいる方、すでに看護を修了している方が日本で働くことを検討する場合は、まず看護師と介護職の違いを理解し、自分の学歴や資格、日本語能力、キャリア目標に合ったルートを調べることが大切です。
外国人材の受入れ制度や在留資格、試験の条件などは変更される場合があります。実際に日本で働くことを検討する際には、その時点での最新情報を関係機関などで確認してください。
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